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◎弁護士コラム◎任意整理手続の流れ

2020年5月1日

お知らせ

以前のブログ記事(※『債務整理の種類とメリット・デメリット』)でもご案内したように、任意整理とは、債務整理の一種で,弁護士が依頼人の代わりに(依頼人の代理人として),各金融機関と弁済金額や月々の返済金額に関して交渉し,収入の範囲内で返済をしていく合意をするための手続です。

 

現在の資産・負債状況の確認

債務に関するご相談をお受けする際には,まず,依頼者の方から,現在の資産・負債の状況を正確にお伝えいただく必要があります。

任意整理においては,月々のいくらなら返済していけるのかという見通しを立てることが最も重要です。

毎月の収入が一切残らないような金額で合意をしたとしても,不意の出費に対応することができません。

また,月々の返済額が低すぎる場合には,金融機関も,際限なく返済期間を延ばしてくれるわけではありません。

 

また,複数の金融機関からの借入れがあったとしても,任意整理であれば,債務整理をする金融機関を自由に選択することができます。

弁護士費用との関係で,利率が高い金融機関の債務のみ整理の対象とする,という選択もあり得るでしょう。

 

債務整理を弁護士に依頼すると・・・

弁護士が正式に任意整理のご依頼を受けた後は,はじめに,各金融機関に対して「就任通知」という書類を送ります。

この就任通知には,弁護士が代理人に就いたこと,本人について任意整理をするので保管している取引履歴(借入れと返済の履歴)を送ってもらいたいこと,が書いてあります。

 

就任通知が送付された時点で,金融機関は本人に対する直接の取立てができなくなりますので(貸金業法21条1項9号),催促の電話等からは解放されることになります。

 

他方,就任通知を送付した時点で,本人の信用情報に傷がつくことになり,いわゆる「ブラックリストに載る」状態になる点については,注意が必要です。

また,就任通知の送付により連帯保証人に全額の請求がされたり,ローンが残っている住宅,自動車等について,差押え・競売や引揚げの手続がされ得る状態になったりしますので,この点についても注意が必要です。

 

就任通知発送から約1,2ヶ月後に,金融機関から取引履歴が送られてきます。

これが出そろい次第,依頼者と打合せの上,月々の返済金額を全体の支払回数が決まりますので,これを金融機関に提案することになります。

その後,交渉を経て,合意の形成を目指します。

金融機関の側にも任意整理の場合の内部基準があるようで,常にこちらの言い分で和解してもらえるわけではありません。

経験からいうと,最長でも60回(5年)程度と言われることが多いです。

 

また,債務の総額についても,借入時からの利息や遅延損害金が免除になることはなく,和解成立時までの遅延損害金までを付加する場合が多いでしょう(完済までの利息・遅延損害金が付加されるケースはあまりないように思います。)。

そのため,過払金が発生しているケースでなければ,返済総額自体が減ることはさほど期待できません。

 

金融機関との間で返済の条件がどうしても折り合わないときには,任意整理を諦め,破産などの他の債務整理の方法を考えなければならないでしょう。

 

 ~高崎事務所 所長 下山田 聖


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* 記事の内容については、2020年5月執筆時の法令または情報に基づく一般論であり、個別具体的な事情によっては、異なる結論になる可能性もございます。また、現在の法律やその後の裁判例などで解釈が異なる可能性があります。
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